Omamelog

Daily life of mother of autistic child

- Daily life of mother of autistic child -

小さな火傷の分だけ、強さとやさしさを

3週間ほど前になるだろうか。

長男が、幼稚園のお友達から「変な喋り方だな」と言われてしまった。

 

 

彼は、年中の時に長男と仲良くしてくれていた子だ。

幼稚園終わりに、いつも一緒に遊んでいて、私にもいろいろ話をしてくれたし、次男のことも気にかけてくれていた。

 

いつも元気で、仲間想いの優しい男の子だ。

 

 

年長になる少し前だろうか。

長男の話し方に、”詰まり”が目立つようになった。

 

 

私も夫も、言語聴覚士の先生も

 

「話したいことに、言語化するスピードが追いついていないのだろう」

 

と見立てていたため、そのうち改善していくだろうと見守っていた。

 

 

しかし、改善するどころか

少しずつその”詰まり”は、誰の耳にも気になるレベルになってきていた。

 

大人ならば、長男の次の言葉をゆっくり待っていてあげられるが

子どもの場合は、そうとも限らない。

 

言葉に詰まる上に、同じ言葉を何度か繰り返したり

同じ内容を繰り返すこともある。

 

 

そのとき、彼が変な喋り方だとポロっと言ってしまった。

すぐに私の顔を見て、はっとしたあと、少し気まずそうな表情になった。

 

 

今でもその表情が、脳裏に焼き付いたままだ。

 

”口にすべきではないこと”だと、5歳の子がすでに理解していること。

 

彼がそう感じたのは、これが初めてではないのだろうということ。

 

きっと、他の子も同じように感じていたりするのだろう、ということ。

 

 

 

できれば、なかったことにしたい。

見なかったことにして、聞かなかったことにして、そのまま流してしまいたかった。

 

まっすぐな子どもの言葉だからこそ、深く、突き刺さる。

 

 

世界にフィルターをかけられたかのように、その”事実”にしか目がいかなくなってしまう。

 

周りの誰もが、長男の話し方をバカみたいだと思っているのではと考えてしまう。

 

堕ちるのは、簡単だ。

 

 

長男がなめらかに話せればホッとし、言葉に詰まれば私の胸もぎゅっと詰まる。

 

なめらかに話すといっても、そのほとんどはエコラリアで、誰かのセリフだ。

 

 

一生懸命話す様子を見守る気持ちの裏側で、怒りのような感情が巣くうようになった。

 

何に対する怒りなのかは、わからない。

 

ただ、誰にもぶつけることのできない小さな怒りは、心の奥をチリチリと焦がしていく。

 

燃え上がったり、すべてを飲み込んでしまうこともなく、ただそこをチリチリと焦がし続ける。

 

目に見えない火は、いつか消えるが、いつ消えるかは分からない。

 

消えた跡には、はっきりと火傷の跡が残る。

 

 

 

これから先も、同じような小さな火傷をいくつもつくっていくのだろう。

 

ひとつ、また、ひとつ。

 

チリチリと焦げた跡が増えていくたびに、強くなれるのだろうか。

 

その分、誰かにやさしくなれるのなら、それでいいのかもしれない。

 

 

それとも、誰にも焦がせないほどに、冷たくなってしまうのだろうか。

 

 

おまめ