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Daily life of mother of autistic child

- Daily life of mother of autistic child -

言葉にならない絶望は、いずれ孤独となる

ある人の言葉が、ずっと残っている。

 

言葉には足がある

使った言葉はそのまま歩き出す

冷たい言葉は人を傷つけ悩ませる

温かい言葉は人を励まし幸せを呼ぶ

使った言葉は自分にそのまま戻ってくる

人は使った言葉どおりの人生を歩む

いい言葉で人生が変わる

い言葉で子どもは伸びる

 

この言葉を聞いてから、

できうる限り、マイナスな言葉を表現することをやめようと決めた。

 

 

100人の共感を得たとしても、一人を不快にする言葉を避けることは

SNSで発信をしている以上、相当な葛藤を生む。

 

共感を得られるほうが、アカウント自体の評価が上がる。

 

人は、負の感情に引っ張られやすいから

負の感情で得られる評価はさらに大きい。

 

「自分だけじゃなかった」

という安心感は、救われた気持ちになる。

 

SNSアルゴリズムの波に乗るには

負の共感に働きかけるのが、てっとり早い。

 

 

自分もそうしてきた。

そうやって、ここまできたのだ。

 

でも、彼女の言葉を聞いてから

次第にアルゴリズムを意識した投稿に

居心地の悪さを感じるようになった。

 

 

綺麗事かもしれないが、

100人の共感よりも、1人を救える言葉を届けたい。

 

そんな考えに変わっていった。

 

 

……んだけど、

どうしても吐き出したいことがある。

 

今日だけは、少し愚痴らせてもらいたい。

 

 

先日、Instagramにこんな投稿をした。

 

「長男の自閉症を疑い出したきっかけ」

 

ここで、自治体の言葉の教室に参加したことがきっかけとなって

長男の発達に向き合うようになっていった、ということを書いた。

 

もちろん、それまでに長男の発達に

無関心だったわけではない。

 

1歳を過ぎて、ポツポツと単語が出始めたが

それも今思えば、自発的に話すというより

私が言った後にマネをしているだけだった。

 

それを発語と数えてよいのかはわからないが、

1歳半の時点で、5つの単語を話せると思っていた。

 

なんとなく腑に落ちないような感覚だったが、

きっとマイペースな子だから、と

自分に言い聞かせて、深くは考えないようにしていた。

 

2歳を過ぎるころには、発語は全て消え

何も言葉を発さなくなった。

 

 

ネットで「言葉の促し方」などを調べて実践してみたが

なんだかしっくりこない。

反応がいまいち……、というか、無い。

 

支援センターの保育士や、保健師に相談すれば

「たくさん話しかけてあげて」「絵本をたくさん読んであげて」

しか返ってこない。

 

この二つはマニュアルか何かに書かれているのか……?

 

 

とにかく、見聞きした方法では何をやっても、無反応なのだ。

 

打っても、叩いても、撫でても、離れても

何も返ってこない。

 

これが、どれほどの虚しさを感じるか、

経験した人にしかわからないだろう。

 

相談すればするほどに、虚無が広がっていった。

 

 

やっとの思いでたどり着いた自治体の言葉の教室。

 

保育士と保健師が子どもを見てくれている間に

心理士から母親へ発語を促すためのワークが実施された。

 

そこで配られたプリントは、帰宅後、すぐに捨てた。

 

ネットで見た内容しか書かれていなかったからだ。

 

 

ネットで調べたことも、

あちこちで相談したことも

どれも当はならないから来ているのに……。

 

また、虚無が広がる。

 

 

「お願いだから、この子が話せるようになる方法を教えてよ……」

 

言葉にならない絶望は、

長男が私の問いかけに反応しないほどに大きくなっていった。

 

 

 

Instagramの投稿では控えたが、

この言葉の教室は、まぁひどかった。

 

その場には、保健師、心理士、保育士がいた。

 

永遠に問題行動ばかり繰り返す長男を

怒り続けている私に、彼女たちは手を差し伸べてはくれなかった。

 

30分間、狭く逃げ場のない一室で、

7人の大人の視線を浴びながら孤独を感じ続けた。

 

計3回実施されたが

最後まで、声をかけてくれる人はいなかった。

 

 

言葉にならない想いを、拾い上げてくれる人がいない。

 

手を伸ばせば届く距離に人がいるのに、

手を伸ばす方法が分からない。

 

絶望が私たちを、隔離していく。

 

その先にあったのは、孤独だった。

 

 

 

彼女たちは今でも、長男が話せるようになったことを、知らない。

 

 

おまめ